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BLではないけれど……おすすめブロマンスや匂い系小説!一般文学から集めました

ここでは、ジャンルはBLではないものの、男性同士の特別強い結びつきが随所にみられるブロマンス作品を集めてみました。
決定的なネタバレはなしです。

※注意※
あくまで”腐女子フィルター”がかかった状態での解釈です!

作者様はブロマンスもその匂いも意図されていないケースもあるかと思いますので、ご注意下さい

そもそもブロマンスって何?

ブロマンス(bromance)とは、2人もしくはそれ以上の人数の男性同士の近しい関係のこと。性的な関わりはないものの、ホモソーシャルな親密さの一種とされる。                           
引用:Wikipedia

Bromance という単語は、bro もしくは brother(兄弟)と romance(ロマンス)のかばん語である。

スケートボード雑誌ビッグ・ブラザー(英語版)編集者のデイヴ・カーニー(英語版)によって、四六時中一緒にスケートボードをしているような関係という意味に限定して使うために造られた言葉である
引用:Wikipedia 

ブロマンスの代表的な関係として有名なのは、シャーロックホームズとワトソンですね。

今回ご紹介する作品は、ブロマンス要素抜きでも文句なしに面白い作品ばかりですので、是非読んでみてください!

妖琦庵夜話シリーズ/榎田ユウリ

人間と”妖人”が共存する世界。
妖人がらみの事件を担当する新米刑事・脇坂は、茶道家の洗足伊織の協力の元、数々の事件を解決していく。
自身も妖人である伊織は、複数の事件の裏で手を引く何者かの存在を感じ取っていた……

毒舌だけど容姿端麗で頭脳明晰な伊織、全てがハイスペックな家令の夷さん、かわいいしかないマメ、お坊ちゃま刑事で頼りないがイケメンでコミュ力おばけの脇坂くん、伊織に異常なほど執着する妖人の青目……
榎田先生の描く登場人物は全員さすがの魅力で、誰か一人は必ず推しが見つかると思います。
今作はBLではありませんが、彼らに並々ならぬ絆を感じ取りました。

また、テーマとなる事件も社会問題と絡めていたりして、ミステリーとしても興味深いものばかりです。
シリーズ全10巻。


家政夫くんは名探偵!  シリーズ/楠谷 佑

独身かつ仕事が多忙すぎて家事に手が回らなくなった刑事の怜は、家事代行サービスを頼むことに。
現れたのは驚くことに、美形の男子大学生・光弥だった―――

刑事×大学生のバディものともいえるシリーズ。
実は光弥くんは家事のプロフェッショナルなだけではなく、頭脳もキレキレ。
いわば安楽椅子探偵として、怜の抱える事件を解決する手助けをすることになります。

ライトノベルかぁ……とあまり深く考えずに手に取ったのですが、さすが楠谷先生。とても読みやすいのにミステリーとしての完成度がとても高い。
いくら毎日ブロマンスに飢えているといっても、そこはとても大事!

光弥くんの料理に胃袋だけでなく心も掴まれてしまう怜が、自分の心境の変化に戸惑うところには、何かを感じ取ってしまいます……!
仕事に忙殺されればされるほど光弥くんに癒される事実を痛感するしかない上、なんだか必要以上に光弥くんを呼んでいることに、自分で気付いてしまう怜。

光弥くんも最初はものすごいクールですが、ある事件の解決をきっかけに、少しずつ心を開いていくようです。
4巻まで読んだ筆者としては、あくまでもBLではなくブロマンスだと認識しておりますが、この先二人の関係性がどう変化していくのかも見逃せないポイント。

全然関係ないのですが、帯に”美人大学生×熱血漢刑事”となってるんですけど、これってそういうことなんですか……!?
逆ではなく??そっちなの??(くどいですが、そういう描写のある小説ではありません)

シリーズ4作とも、Kindleunlimitedで読めます!

まいまいつぶろ/村木嵐

病のため半身が麻痺している上、話す言葉は父や乳母も聞き取れない。
そんな長福丸(のちの九代将軍・徳川家重)の言葉を、ただ一人聞き取ることができた大岡忠光。

周囲の反対を退け家重が将軍を襲職し、忠光と二人三脚で生きた生涯を描いた、歴史小説。

父である吉宗がクローズアップされることが多いためか、あまり馴染みのない家重ですが、聡明で心優しい人柄だったようです。
ひたすら家重の”口”であり続けた忠光を心から信頼し、側に置いた家重。
最後に大手門から下城する忠光に家重がかけた言葉がそれを物語っています。

「……口がきけずに幸いであった。そのおかげで、私はそなたと会うことができた」

「まいまいつぶろ」村木嵐

この次の、別れ際の言葉にも号泣です。まさに究極のブロマンス。

とても読みやすいので、歴史ものに馴染みのない方にも是非手に取って頂きたいと思います。


レーエンデ国物語 喝采か沈黙か/多崎 礼

レーエンデシリーズの三作目。
天才劇作家であるリーアンと男娼のアーロウ。

いつもリーアンの才能の影に隠れるように無気力に生きてきたアーロウは、幼い頃の苦い記憶から、自分はリーアンに見捨てられたと思っていた。

だが、伝説の英雄テッサの生涯を追う旅を共にするうち、アーロウはリーアンの秘めた思いを知るようになり……

何年経っても、イジョルニ人とレーエンデ人の壁はなくならないまま。
一作目から続く悲劇の連鎖は、いつか終わるときが来るのでしょうか……

今回は革命の話よりも、レーエンデ人の双子・アーロウとリーアン二人の生き様を描いた物語です。

誰に対しても素直になれない偏屈なリーアン、リーアンを心から大切に思うも、裏切られた辛さからそれを認めようとしないアーロウ。
旅の途中、大人になった二人がようやく本心を言い合って距離が縮まっていきます。

ラストは、この世で最も悲しい沈黙をアーロウに託すリーアンの愛が尊いです。
やはりリーアンが兄だったのだなぁと、思わずにはいられませんでした。


本と鍵の季節/米澤穂信

ともに図書委員をしている、高校生の堀川と松倉。
彼らは学校で起こるちょっとした厄介ごとに巻き込まれるたび、持ち前の洞察力と思考力で静かに解決していく。

二人は「友人同士ではない」と言い、いつもつるんでいたりはしません。
しかし、お互いを深く理解していなければ到底できないようなやりとりが、随所に見られます。

いやいや、これが友人でなければ一体???とスペ猫になるのは腐女子だけでしょうか……?

事件も派手ではないし、二人の会話も淡々としていますが、心がギュッとなるような、切ない余韻が残ります。

米澤先生の学園ものは、ただキャピキャピしているだけではなく、けっこうビターなところが最高です。

続編「栞と嘘の季節」もおすすめ。


開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―/皆川 博子

筆者の中で激推し作品。

解剖がタブー視されていた18世紀のイギリスで、解剖学の発展のため尽力していた外科医ダニエル先生と、その弟子たち。

秘密裏に入手した遺体を解剖する中、いきなり一癖も二癖もある遺体が運び込まれたと思ったら、さらに不可思議極まりない状況に。

死体にまつわるミステリー、衛生的とはいえないロンドンの描写を読んでいるのに、終始とても耽美なのは皆川博子先生だから。

弟子たちも解剖学を学んでいるだけあって全員切れ者、美形もいます。キャラが立っているのもこのシリーズの特徴です。
メインの事件にはある弟子が深く関わってくるのですが、その背景が切ない。

悲しいラストは続編の「アルモニカ・ディアボリカ」 「インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー」へと続きます。
是非三部作最後まで読んで欲しいです。

ブロマンス好きなら、「アルモニカ〜」「インタヴュー〜」ラストは号泣もの。


死神ラスカは謎を解く/植原翠

刑事の霧嶋が公園で偶然助けた烏は、死神のラスカ。
ラスカは死者の残留思念を見ることができ、霧島の捜査の手助けをすることに―――

昼間は烏、夜は人間のラスカは食糧確保のため霧島と手を組みますが、気難しいラスカが簡単に餌付けされていくところが微笑ましいです。

何より美形の刑事と黒づくめの怜悧な死神が同居している設定だけで、お腹いっぱいになってしまいます……!(頭悪そうな感想ですみません)

そして二人とも過去に何か事情ありすぎる感じで、そこが徐々に究明されていくところも、しっかりミステリーとして読み応えがあり。

Kindleunlimitedで読めます。


レディ・ジョーカー/髙村薫

競馬場から始まったある大掛かりな誘拐事件。

どこか奇妙な感じのするこの事件を、合田雄一郎が執念で追いかける。

「マークスの山」「照柿」に続く、合田雄一郎シリーズ3作目。

誘拐事件にまつわる緻密なストーリー構成は言わずもがな、ここではやはり主人公の合田刑事と彼のもと義兄・加納検事との関係性に注目です。

(もともと二人は大学で親友同士、その後加納の双子の妹が合田と結婚→現在は離婚、という関係)

というか、重厚極まりない本編にちょくちょく挟まれるこの同級生二人が、もうただならぬ感じなんです。

突然加納さんが合田の自宅でシャツにアイロンかける等家事をしていたり、何故か二人で河原でピクニックしていたり、エリートアラサー男子(しかも元義兄弟)がすることじゃなくない…?と戸惑うばかり。

最後の手紙まで是非完走して頂きたいと思います。盛大なご褒美……!

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月魚/三浦しをん

幼馴染みで共に古書商を営む真志喜と太一。
生まれ育った背景は違うものの、二人は古書を愛し、古書とともに暮らしていた。

二人の日常を繊細に切り取った物語。
普通の毎日を送る二人、三浦先生が描くのだから間違いない。

あくまで”読者の想像にお任せします”といった描写ですが、互いの、特に太一から真志喜に対する執着や欲が、随所にありありと見て取れて、ドキドキしてしまいます。

太一が古書への愛を口にする時何かを敏感に感じ取ってしまうこの性癖を、なんとかしたい。

明確なシーンはないというのに(匂わせは、ある)、読後心拍数が上がっておりました……
一般文学……でいいんですよね……?


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