最近(2024年9月・10月)出版されたBLの中から、良かったものをご紹介します。
もちろん全て最後まで読んでからおすすめしておりますので、ご安心ください!
修羅場のワンサイドラブ/藤倉レモン
人気漫画家の三島楓と担当編集者の穂波瑛二は、小学校からの幼馴染。
瑛二は原稿のため楓の元に足繁く通い、料理その他面倒を見ているが、楓は彼女にフラれるたびに、瑛二にデートの穴埋めをさせていた。
楓から瑛二への距離感は何だかおかしいのに、瑛二だけがその不自然さに気付かない。
そんな時、瑛二が楓の担当を外れることになり……
漫画家×編集者で、幼馴染同士。
その上なんと、攻めの片思い歴は19年!これだけでご飯10杯いけます(笑)
楓がフラれて瑛二に泣きつく様子、側から見ればカモフラージュなのがバレバレ。
それも含めて、この執着ぶりがたまりません〜!
受けには溺愛されて欲しい……!という方に是非。
二人ともイケメンですが、普段ボサボサの楓がデートの時だけオシャレしてるのがいいですね。
世界でいちばん遠い恋 2 /麻生ミツ晃
バイオリニスト・壬生十嘉と難聴のトレーダー・五十鈴歩。
一度は十嘉を拒絶した五十鈴だが、それでも十嘉は五十鈴の望む関係のまま、一緒にいることを選ぶ。
少しずつ距離が近付いた時、十嘉は五十鈴に尋ねる。
「五十鈴、オレはまだ友達?」―――
音のない世界で紡がれる恋のお話、こちらで完結です。
モノクロのサイレント映画を観ているような、独特な世界観が大好きでした!
何となく二人のカラーが淡い色でしか想像できなかったのですが、口絵のカラーがとてもビビッドで、いい意味で新鮮。
静かに静かにようやく(!!)結ばれる二人ですが、ベッドシーンまでもがとにかく美しいです。
「声が聞きたい」という言葉が、こんなにも切ないとは……
恋知らずの神様に捧ぐ/滝端
社長秘書の佐後は、社長の浮津に恋をしている。
10年前恩人となった浮津は佐後の神様で、この気持ちは恋と言うより崇拝だと、己の中で完結させるはずだった。
しかし、とうとう佐後の恋心は浮津に知られてしまう。
そんな佐後に、浮津は恋の練習相手になって欲しいと言い出して……
スーパーハイスペック社長×美人秘書。
もともと無自覚両思いなのですが、自覚してからの社長がとにかく凄い。
スパダリってのはこういうんだったよな……と思い知らせてくれる迫りっぷりです。ここまでされて、落ちない方がおかしい。
浮津の寵愛もいいし、佐後の献身ぶりも最高。
キラキラの”ボーイズラブ”もいいですが、こういう濃厚で力のある感じ、これぞ元祖BL……!
ルームメイト(1)/佐藤アキヒト
名門寄宿学校のルームメイトである、カイとノア。
財閥の息子で天才肌のカイは寮を抜け出してばかりで、優等生のノアの悩みの種。
スカラを取るプレッシャーと闘いながら努力をするノアは、後ろ盾があるせいで素行が悪くても処分されないカイに、嫉妬めいた気持ちを抱かずにはいられない。
ある日、弱った小鳥を一緒に手当したことで、二人の距離は近付き打ち解けるが、成績のことでノアはカイに八つ当たりしてしまい……
パブリックスクール、ルームメイト、御曹司で問題児×優等生ときたら、腐女子の夢でしかありません……!
まさにボーイミーツボーイ。
お互い好意はもっているものの、決定的な何かはまだ……という状態ですが、最後のお風呂のシーンがすごい破壊力です。私がドキドキしました。
そして絵柄がどこかファンタジーめいていて、主役二人もとっても美形で、目の保養。
まだ1巻でこれからが楽しみです。
后と河 (1)/山中ヒコ
洪水が多くの人の命を奪った時代、王佳は妹の名を借りて皇帝のもとに召し上げられることに。
それは、河川工事を訴え続けた王佳の上奏書について検討するため、皇帝が講じた計画だった。
内容はなんと、昼間は役人として工事の発案に携わり、夜は后として入内するというもので……
皇帝×身代わり后の中華BL。
夜伽までするとは想定外だった王佳ですが、規則のためと割り切ります。
実は皇帝が王佳に拘る理由は河川工事のためだけではないようで、王佳のほうの気持ちも今後どうなるのか、そのあたりの掘り下げは次巻以降のお楽しみ。
(まだそういったシーンの直接的な描写はありません)
おそらく何巻か続くのでは……と思わせる壮大な世界観で、BLというより中華ファンタジーを読んでいる感覚でした。
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