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食わず嫌いはもったいない!自信を持っておすすめ!BL小説

漫画と比べて何となく敷居が高い……と思われがちな小説ですが、文章の方がかえって妄想を掻き立てられることがあるんです!
特に初めに挙げている魔道祖師の墨香銅臭先生、交渉人シリーズの榎田尤利先生は万人にお勧めの作家さんですので、初めの一冊に是非。

※リンクなどは、執筆時点の情報です

魔道祖師 1~4 /墨香銅臭

かつて鬼道を操る”夷陵老祖”として恐れられた魏無羨(魏嬰・ウェイイン)は、仙門百家により討伐された。
その13年後、死んだはずの魏嬰の魂は、一人の青年の肉体に蘇る。

晩年夷陵老祖として崇められ、恐れられたあげくに大切な人たちを裏切り悲しませた過去に懲り懲りしていた魏嬰は、このまま別人として生きていくことを決めた矢先に、かつての旧友・藍忘機(藍湛・ランジャン)と再会してしまう。
正体が見破られる前にと藍湛の前から姿を消す魏嬰だったが、ある悪霊退治をきっかけに藍湛と行動を共にする羽目に。

道中、仲違いしてしまった従兄の江澄にも正体を見破られそうになるも、なんとか切り抜けた魏嬰。


前途多難な予感がする旅は、思いがけず、過去の忌まわしい出来事の真相に繋がっていく。

言わずと知れたBL界の名作中の名作。金字塔。
「人気だって知ってるけど長いし」
と言ってまだ読んでない人を、何人も知っています。


とりあえず読んで下さい。

1巻だけでいいので。
1巻(~3巻)は家族に読まれても大丈夫なんで

主人公魏嬰と藍湛は勿論、魏嬰の従兄弟・江澄(ジャンチョン)、藍湛の兄・藍曦臣(ラン・シーチェン)など、魅力的な脇役たちも沢山。必ず誰か推しが見つかると思います。

そして、紅一点ともいえる江厭離(ジャン・イエンリー)が、本当に優しく素敵な女性で、BL小説でありながらファンになってしまう。BL小説における、当て馬でもなくいい女……!貴重です。

序盤は魏嬰が一方的に藍湛に絡んでいるように見えるのですが、実はあれやこれやが藍湛の激重感情の伏線であることがわかり、クールビューティーな藍湛の印象が、後半から良い意味でガラリと変わります。

ツンデレかと思いきや、ずっとデレだった……という藍湛。推せる。

個人的には苦労人同士、江澄と藍曦臣の組み合わせに何かを期待してしまいます。(本編にそういった描写はまったくありません。火のないところに煙を立てるのが腐女子)

1〜3巻まではブロマンス小説、4巻だけがっつりBL小説です。
千二百先生による表紙はどれも美麗ですが、文中に挿絵はありません。
絵で堪能したい方は、作画は違う方でまだ未完結ですが、コミカライズ版をどうぞ。

アニメ化 もドラマ化もされていて、 どちらもとてもよく出来ていると評判。
特に肖戦(シャオ・ジャン)と王一博(ワン・イーボー)が主役を務める実写ドラマ「陳情令」は、主要キャラ全員が長身&美形揃いです……!
こちらはU-NEXT、TELASA、みるアジアなどで見放題配信されています。

ただやはり細かい設定は、原作小説が一番わかりやすいと思います。
といっても、数多くある専門的な用語は、さらっと読んで大丈夫。
登場人物の名前も、チンプンカンプンなままでOK。
藍忘機だけをとっても、藍忘機、藍忘機、含光君……と、三つも呼び方があるんです。
主要人物だけでも十人以上ですから、冒頭の人物紹介を頭に叩き込んでから読み始めたとしても、どうせ何度も戻ります(笑)

そして長いので読みにくいのでは……という声も聞きますが、最初の二章はあまり深く考えずどんどん読んでしまって下さい!

一章と二章で説明しているのは

  • 13年前に死んだ魏嬰の魂が、莫玄羽(モーシエンユー)の肉体だけを借りて蘇らされた
    (=外見は莫玄羽、中身は魏嬰)
  • 生き返ってみたらそこ(莫家)で鬼腕という悪霊が暴れており、偶然居合わせた蘭家の面々と再会してしまった


ということです。

三章に入り、二人が行動を共にするところまでいけば、ノンストップで読めること間違いなし!


交渉人は黙らない/榎田 尤利

元検事で元弁護士の芽吹章は、やり手のネゴシエーター。


甘い外見とは裏腹にタフな交渉もものともしない芽吹だが、事務所にかつての後輩でヤクザの兵頭寿悦が乗り込んできてから、調子を乱されてばかり。


さらに、ゲイである兵頭は芽吹を自分のものにすると言い放ち、芽吹は半ば強引に兵頭のネゴシエーターを務めることになってしまう。

交渉人シリーズの第一巻。
BL小説を語るに絶対に外せない、榎田尤利先生。


「魚住くんシリーズ」、「永遠の昨日」など、他にも紹介したいものがたくさんあります。


こちらの交渉人シリーズも例外なく面白いのですが、特筆すべきはテンポの良さ。会話も地の文も、スラスラ読めてしまい、本当に飽きない。

兵頭はヤクザですので時に手段を選ばず芽吹を手に入れようと画策しますが、やり手の若頭である兵頭が一人の先輩(=芽吹)に必死になっている姿には、ある意味胸を打たれます。
二人とも美形で賢いので、会話しているだけでも飽きません。
もちろんベッドシーンもさすがの榎田先生。特に兵頭の大人の色気が凄いです。

シリーズ本編が7冊、スピンオフ1冊。
スピンオフはみんな大好きキヨ×トモで、こちらもおすすめ。



竜の棲み処 君が僕の永遠なる希望/宵

名もなく虐げられて暮らしていた少年は、竜の生贄に捧げられるが、なんとその竜に助けられる。
竜の名はクアス。少年はユーニと名付けられ、クアスを手伝いながら共に暮らすことに。

Kindle unlimitedの中でも、群を抜いて好きなお話です。
作者の宵先生はファンタジーBLを中心に他にもKindle unlimited対象作品を発表されていますので、ファンタジー好きな方は是非チェックしてみて下さい

実はこちらは前作「竜の棲み処」のスピンオフ作品で、そちらでは当て馬的扱いだったクアスが、今度は幸せを見つけます。よかったね……!
簡単に言ってしまえば、ボロボロだったユーニがクアスの手で大切に大切に可愛がられる溺愛激重おとぎ話BLなのですが、人間の姿の時のクアスが綺麗すぎ、スパダリ過ぎて最高なんです。

金髪碧眼の、まさにおとぎ話の王子様。ユーニが心奪われるのも納得。
また、竜の巣での生活、魔法のような調度品の数々、デパート(?)の店員さん、クアスの両親など、ユーニを取り巻く人々がとにかく優しい……
そして、竜にとって特別な存在である「番人」。
ユーニが番人になるのかならないのか?予想はつくのですが、なかなかヤキモキしてしまいます。

その分、幸せになった後のクアスの甘やかしっぷりといったら……!竜といえば発情期ですから、甘くて耽美な二人を堪能できます。
そのあたりは番外編でたっぷりどうぞ。番外編には、前作のタキアとルサカも登場します。

甘い誘拐犯/真崎ひかる

製菓会社の社長令息である稔吏は、桐生慎と名乗る精悍な男に誘拐される。

数日行動を共にすれば無事に返すと言われ始まった、誘拐犯との奇妙な生活。

箱入りで世間知らず、”綺麗だけど人形のよう”と称された稔吏だったが、慎と過ごすうち感情豊かな自分を取り戻す。
期限付きの逃亡生活のはずが、いつしか二人は離れがたくなっていた……

誘拐犯×跡取り息子の、ある意味身分差CP。

不自由な生活ながらも慎に丁重に扱われるうち、稔吏は未知の世界を見せてくれる慎に惹かれていきます。

あまりに擦れていない稔吏についイケナイことをしてしまう慎ですが、稔吏の無知ゆえ?の初心な反応を目の前にすれば、やむなしか……と思わず許してしまいます。無自覚ってこわい。(天を仰ぐ)

期限が来て稔吏を依頼主に返す前日の二人が切ないです。

挿絵もイメージ通りで美しい。
Kindle Unlimitedで読めます。

富豪とお試し婚なのに恋寸前です/ナツ之 えだまめ

成婚率100%を誇る結婚相談員の沢渡は、ただ一人成婚に至らずにいる会員の加賀谷に、頭を悩ませていた。

ハンサム・高身長・高年収と非の打ちどころがない”ミスター・サンシャイン”加賀谷が、何故いつもフラれてしまうのか……
「原因を探るため自分のエスコートをテストして欲しい」という加賀谷の依頼を受け、お試しデートを引き受ける沢渡。

もともと加賀谷に好意を抱いていた沢渡は公私混同ではと悩むが、事態はさらに急展開、今度は”お試し新婚生活”という名の同居がスタートしてしまい……

立場上なかなか自分の気持ちを伝えられない沢渡と、そんな彼をジワジワと追い詰める(笑)加賀谷がリアル王子様のようで最高。
おとぎ話みたいな展開に、ロマンチックな挿絵がぴったり合っています。
加賀谷の実家事情などの細かい伏線もきちんと回収してくれるので、そのあたりもスッキリ。

また、沢渡の同僚の百瀬くんがいい仕事をしてくれるのですが、「そうきたか~!」と思わず声に出てしまいました。
こういうちょっとした脇役の立ち回り、大事なんですよね。

nez[ネ] /榎田 尤利

超ハイスペックなのに潔癖すぎ、協調性がなさすぎて仕事が長続きしない鷹目兆(たかめ・きざし)と、人並外れた嗅覚を持つが不潔でだらしない燕千里(つばくら・ちり)。

性格は正反対だがお互いの欠点を補える能力を持つ二人は、CASという相性診断サービスで相棒として働くことに。

だが、千里は鷹目の”におい”が苦手だと言い…

嗅覚を能力として使うという珍しい千里の特性、ホテルのスイートルームにあり、いまいち実態のわからないCASという組織……
まず設定だけで食いつきます。こういうの好き。

二人の仕事はただの相性診断ではなく、高度な観察眼と知性を要し、時には体を張ることもある。まるでエージェント。
はじめはただの調査がメインかと思いきや、巻が進むごとに千里の過去に関わる人物が登場したり、とにかく展開に飽きません。
序盤にチラッと出て来た設定が後半に伏線として回収されるところも、さすがです。

実は相性が最高の、鷹目と千里の関係も、どんどん熱くなっていくので見逃せません。
ケンカップルなのかな?と思っていたら、鷹目の愛はどストレートでした。
残念なイケメン二人って言われちゃってるけど。

榎田先生の作品は、どれも本当に構成と文章が素晴らしく、BL部分抜きでもぐいぐい引き込まれますね!
バディものがお好きな方、ぜひ!

一巻のみKindle Unlimitedで読めます。

DEADLOCK/英田サキ

冤罪で有罪判決を受けたユウトは、FBIとある司法取引をする。
それは、刑務所内であるテロリストを探し出せばユウトを無罪放免にする、というものだった。

正体を偽り出会った囚人たちと交流を深めるうち、ユウトは同室のディックに惹かれる自分に気付くが……

翻訳もののミステリー、FBIやCIAが好きな方に是非おすすめしたいです!

猛獣の中に放り込まれたウサギのごとく様々なトラブルにも見舞われながらも、機転を利かせて着実にテロリストへの調査を進めるユウトが強い。
そしてディックとユウトの両片思いというか、触れそうで触れられないこの感じが、たまりません。
金髪碧眼と黒髪美人がムショ内で同室ですよ!?(落ち着いて)

ディックの正体を知った時二人には辛い結末が待っていますが、徐々に心を通わせる様子が胸を打ちます。
続きがたいへん気になる終わり方なので、一気に3巻まで買う覚悟をお願いします……!


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